リサイクルの種類とながれ
捨てられたプラスチックは、主に「マテリアルリサイクル」「ケミカルリサイクル」「サーマルリカバリー」の3つの手法から有効利用されています。
マテリアルリサイクルは、廃プラスチックを原料として再利用し、新しい製品をつくる技術です。回収したプラスチックはリサイクル工場でフレークやペレットに加工され、パレット、ベンチ、遊具といったインフラ製品や、容器包装、文房具といった日用品に生まれ変わります。
ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学反応によって分解し、再利用する技術です。プラスチックは石油からできており、その主成分は炭素と水素です。そのため、製鉄用の高炉内を高温にするために酸素を奪う還元剤として使われるほか、化学分解させてガス化する、油に戻すことで燃料として用いられています。
サーマルリカバリーは、熱回収などとも呼ばれ、廃プラスチックを焼却した際に生まれるエネルギーを熱や電力として活用する技術です。主な用途として、焼却施設周辺の温水プールや暖房、電気に使われています。RPFは廃プラスチックを古紙と混ぜ合わせたもので、化石燃料である石炭やコークスの代替品として需要が増加しています。
紙のリサイクルは、主に「マテリアルリサイクル」を中心に行われており、一部が「サーマルリカバリー」として有効利用されています。
マテリアルリサイクルのなかには、大きく分けて二つのリサイクルルートがあります。新聞紙や雑紙、ダンボールなどを回収する「古紙」のルートと、パッケージやボトルなどを回収する「紙製容器包装リサイクル」のルートです。それらは製紙原料の用途ごとに各市町村などでしっかりと分別され、それぞれの適正にあった製品に再生されます。
また、回収した紙製容器包装のなかで製紙原料に向かないものは固形燃料などとして活用されています。