環境問題の変遷と
新しい包装資材の可能性
めまぐるしく変化する環境意識や包装資材のあり方について、DNP包装事業部の方々にお伺いしました。
PROJECT 01.
折り紙のように折りたたんでコンパクトに捨てられる、紙製の使い捨て弁当容器です。
食事が終わったら箱をたたみ、ケースのようになっている蓋に収めることで、小さくまとめて捨てることができます。
従来の弁当容器は、そのまま捨てるとゴミ箱の中でかさばってしまうという不快感や、複数の素材からなる分別の複雑さがありました。それらを軽減するために、シンプルなフォルムと収納機能からゴミを減容化できる容器を考案。使っている間から捨てる瞬間まで心地よく、スムーズな所作を引き出すことを目指しました。
飲食店の持ち帰りやデリバリーが増え、弁当容器の需要も増加。そして、同時に使い捨て容器の廃棄量の肥大化も懸念されています。ゴミをなるべく減容し、穏やかな廃棄を生み出すことで、新しい生活になじむ食事体験をつくります。
装飾性をそぎ落とした、スリムで静謐な印象を持つ容器です。身箱に切れ込みはなく、一枚の紙を折りあげて立体化することで内容物の漏れを防止。蓋は底面に折り筋を入れてたわませることで、紙を余分に使うことなく身箱にピタリとはまる工夫をしています。
身箱と蓋を紙素材で制作しているため、箸と合わせてまとめて捨てることができます。内面のコーティング加工にもプラスチック素材は使用していません。気持ちよくスムーズに捨てられるよう、複雑な分別が生まれない設計をしています。
食事が終わったら、容器をたたんでコンパクトにすることができます。身箱を手順通りにたたみ、ケースとして機能する蓋にそっと収納。箸を蓋のポケットに納めれば、すっきりまとめて捨てられるため、ゴミ箱の中で容器がかさばるストレスもなく、静かな廃棄が生まれます。
紙は、水や油の浸透に強い食品対応の機能板紙を使用。米飯はもちろん、焼きもの、炒めもの、揚げものなどのお惣菜といった幅広い内容物の品質をしっかりと保ちます。
1899年の創業以来、ファインペーパーをはじめとする多種多様な紙を取り扱う紙の専門商社。今回は協業パートナーとして使用する紙の提案、容器の製造に関する領域を担当。
企画設計シニアアドバイザー/株式会社協進印刷
1968年多摩美術大学デザイン科卒。王子パッケージングを経て、2001年に協進印刷へ入社。現在、企画設計シニアアドバイザーを務める。今回は千田氏の協力のもと、弁当容器の折りを設計。
1876年の創業以来強みとしてきた印刷技術や情報技術をいかし、出版印刷や商業印刷から、包装や建材、ディスプレイ関連製品や電子デバイスなどへ事業領域を拡げている世界最大規模の総合印刷会社。プロジェクトにおける、調査データや情報の監修を担当。